 
    
本ページでは、電子帳簿保存法の対象になる帳簿書類(いわゆる国税関係帳簿書類)について、その要点をまとめています(2023年1月更新)。
電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(以下「電子帳簿保存法」とします)の第2条において、 国税関係帳簿と国税関係書類はそれぞれ次のように定義されています。
国税関係帳簿 : 国税に関する法律の規定により備付け及び保存をしなければならないこととされている帳簿
国税関係書類 : 国税に関する法律の規定により保存をしなければならないこととされている書類
具体的な帳簿書類の名称が明記されていません。
そこで、法人税法、消費税法、所得税法、租税特別措置法の中で帳簿書類の保存について触れている条文を抽出し、その中で中小企業の実務で一般的に使われている帳簿書類を選別しました。
選別した帳簿書類が電子帳簿保存法上の国税関係帳簿書類に該当するのか確証は得られていませんが、参考として下記に列挙します。
| 帳簿書類の名称 | 帳簿書類の内容 | 保存期間 | 条文 | 
| 青色申告法人の帳簿書類 | ①仕訳帳・総勘定元帳の他、 資産、負債及び資本に影響を及ぼす 一切の取引に関して作成されたその他の帳簿 ②棚卸表、貸借対照表及び損益計算書並びに 決算に関して作成されたその他の書類 ③取引に関して、相手方から受け取った注文書、 契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに 準ずる書類及び自己の作成したこれらの書類の写し | 約7年間 | 法第126条 第1項 | 
| 欠損金が生じた事業年度の 帳簿書類 | 青色申告法人の帳簿書類と同じ | 約10年間 | 法第57条 第10項 | 
| 寄付金の証明書 | 特定公益増進法人・認定NPO法人等に対する 寄付金や認定特定公益信託に対する支出金に限る | 規定なし | 法第37条 第9項 | 
| 帳簿書類の名称 | 帳簿書類の内容 | 保存期間 | 条文 | 
| 課税事業者としての帳簿 | 青色申告法人の帳簿書類と同じ | 約7年間 | 法第58条 | 
| 仕入税額控除のための 帳簿・請求書等 | ①消費税法第30条で定められた記載要件を満たす 帳簿 ②消費税法第30条で定められた記載要件を 満たす請求書、仕入明細書、輸入許可通知書等 | 約5年間 か 約7年間 | 法第30条第7項 | 
| 売上げに係る対価の返還等をした金額の明細 | 売上げに係る対価の返還等をした金額の明細を 記録した帳簿 | 約7年間 | 法第38条第2項 | 
| 貸倒れの事実を 証明する書類 | - | 約7年間 | 法第39条第2項 | 
| 輸出免税等となる取引が あったことを証明する書類 | 輸出許可通知書等 | 約7年間 | 規第5条第1項 | 
| 棚卸資産の明細 | 免税期間から課税期間に移行する際等の棚卸資産の 税額調整に係る棚卸資産の明細を記録した書類 | 約7年間 | 法第36条第2項 | 
| 帳簿書類の名称 | 帳簿書類の内容 | 保存期間 | 条文 | 
| 給与所得者の源泉徴収に 関する申告書 | ①給与所得者の扶養控除等申告書 ②従たる給与についての扶養控除等申告書 ③給与所得者の配偶者控除等申告書 ④給与所得者の基礎控除申告書 ⑤給与所得者の保険料控除申告書 | 約7年間 | 規第76条の3 | 
| 退職所得の受給に 関する申告書 | - | 約7年間 | 規第77条 第6項 | 
| マイナンバー管理用の帳簿 | - | 約7年間 | 規第76条の2 第6項 | 
| 変更届出書 | マイナンバー管理用帳簿の記載項目に変更が あったため従業員等から提出を受けた届出書 | 約3年間 | 規第76条の2 第9項 | 
※給与所得者の源泉徴収に関する申告書については、従業員等から紙媒体で提出を受けた場合は電子帳簿保存法の対象になり、電子データで提出を受けた場合は所得税法第198条第2項の方の対象になります。
| 帳簿書類の名称 | 帳簿書類の内容 | 保存期間 | 条文 | 
| 所得金額調整控除申告書 | - | 約7年間 | 規第18条の23の3 第3項 | 
| 飲食費の明細書 | 1人当たり5千円以下になる飲食費の明細書 | 規定なし | 法第61条の4第8項 | 
※所得金額調整控除申告書については、従業員等から紙媒体で提出を受けた場合は電子帳簿保存法の対象になり、電子データで提出を受けた場合は租税特別措置法第41条の3の4第4項の方の対象になります。