道路面より高い平坦地と宅地造成費控除


税務情報用の写真画像

本ページでは、道路面より高い平坦地について、土止費を控除することができるのかについて、Q&A形式で要点をまとめています(2024年8月28日更新)。


 

土地の高さが道路面より高くなっている農地を相続しました。

 

法面以外はほぼ平らになっており、傾斜はほとんどありません。

 

国税庁の定めた宅地造成費の金額表では、土止費は「道路よりも低い位置にある土地について、宅地として利用できる高さ(原則として道路面)まで地上げする場合に、土盛りした土砂の流出や崩壊を防止するために構築する擁壁工事費」と定義されています。 

 

ということは、私の農地のように道路面より高い農地には、土止費は控除できないのですか?

 

道路から上がった土地から

 

国税不服審判所が令和4年9月に出した裁決(関裁(諸)令4-4)が参考になります。

 

竹木等で覆われた雑種地の評価において、土止費の控除が可能かどうかが争点の一つになっていました。

 

国税庁は、評価対象地が道路面より高い位置にあるからといって土止費が生じるとは限らないと主張しましたが、国税不服審判所は、評価対象地は宅地転用の際に土止工事を行うことが通常必要になる土地であるとして、国税庁の主張を退け、土止費の控除を認めました。

 

決め手となったのは、この雑種地の周辺の道路等はこの土地から流出した土砂で覆われていた点です。この土地を宅地に転用する際に、擁壁の構築が必要になることを明確に裏付ける根拠になりました。

 

道路面より高い土地に土止費の控除を認めた裁判例や裁決事例は、数は多くないものの、他にも存在します。土止費は、道路面より高い土地に適用できない訳ではありません

 

私見ですが、次のように判断すべきと考えています。

  • 法面部分にコンクリート等の擁壁が設けられていない平坦地には、宅地化する際に土止工事が通常必要になると考えられるため、土止費の控除ができる。
  • しかるべき擁壁が既に完備される平坦地には、土止費の控除はできない。

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