隣地所有者の設けた擁壁がある場合


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本ページでは、隣地との境界に隣地所有者の設けた擁壁がある場合でも、宅地造成費の一つである土止費は控除できるのかについて、Q&A形式で要点をまとめています。


 

道路面より低い農地を相続しました。

 

この農地は北側で道路に接しており、西側は第三者の所有する宅地と、南側と東側は第三者の所有する農地と接しています。

 

西側の宅地は道路と同じ高さになっており、境界全体に隣地所有者の設けた擁壁があります。

 

南側と東側の農地は私の農地と同じ高さで、擁壁はありません。

 

私の農地の相続税評価額を算定する際、宅地造成費の一つである土止費を控除できるのは、擁壁の無い南側と東側の境界だけでしょうか?

 

あなたの農地の場合、北側以外の三方向の境界で土止費を控除できます。

 

過去の判例等によると、隣地所有者の設けた擁壁の有無に関わらず、土止費の控除を認めています。

 

隣地所有者は、将来において、何らかの事情により擁壁を撤去する可能性があります。

 

そのような人的な要素は相続税評価額に影響させず、評価対象地の客観的な物的要素にのみ基づいて評価すべき、という指針によるものと思われます。

 

また、判例等では、道路に接している境界には、土止費の控除を認めていません。

 

道路自体が擁壁の役割を果たし、公共物である道路が将来撤去される可能性は低いため土止工事は不要、と考えられていると思われます。

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